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ホームページ 2026年7月29日

工務店のホームページは"素材感と実例"で信頼を作る|デモ制作の舞台裏

ラタトスク制作の工務店向けデモサイト「山口工務店」のトップページ

家は、ほとんどの人にとって人生でいちばん高い買い物です。だからこそ工務店のホームページに求められるのは、かっこよさでも情報量でもなく、「この会社に任せて大丈夫だ」と思ってもらうこと。この記事では、ラタトスクが制作した工務店向けデモサイトを題材に、その「信頼」をデザインでどう作ったのかを、制作者自身が種明かししていきます。

「デモ制作の舞台裏」シリーズでは、業種ごとのデモサイトを取り上げて、配色・構成・コピーの意図を具体的に解説していきます。今回は工務店編です。

お読みいただく前に

この記事で扱うのは、ラタトスクが技術力の証明として制作した架空のデモサイトです。実在の店舗・実際の案件ではありません。登場する「山口工務店」という社名や創業年数・施工実績などの数字も、すべて架空の設定です。

工務店のホームページで一番大事なこと

工務店を探している人は、最終的に何を見て決めるのでしょうか。価格表でも、設備の仕様一覧でもありません。「素材感」と「実例」だと私は考えています。

素材感とは、木の質感や職人の手仕事が、サイトを開いた瞬間の空気として伝わってくること。工務店の強みは、大手ハウスメーカーのような規格化された商品ではなく、木や土といった素材と、それを扱う人の技術です。その強みは文章で「こだわっています」と書くより、サイト全体の色・書体・写真から感じ取ってもらう方がずっと強く伝わります。

実例とは、実際に建てた家を見せることです。家づくりを検討する人は「うちの場合はどうなるだろう」と自分の暮らしを重ねながらサイトを見ています。施工事例が具体的であるほど、その想像が進み、問い合わせの心理的ハードルが下がります。

逆に言えば、この2つが弱いホームページは、どれだけ立派な理念を書いても「よくある工務店のサイト」で終わってしまいます。

デモ「山口工務店」でどう設計したか

デモサイトの設定は「創業昭和三十九年・三代続く木造住宅専門の地域工務店」。この設定を、飾りではなくデザインの根拠として使っています。

配色|木の色だけでページを組む

デモの配色は、焦げ茶(#5C4A2B)・木肌のようなベージュ(#D4B896)・生成りの背景(#FAF6EE)の3色が軸です。すべて「木」から取った色で、彩度の高い原色は一切使っていません。青や赤のボタンを置けば目立ちはしますが、その瞬間に「素材の空気」が壊れるからです。

もうひとつ工夫したのが、トップの大きな写真(ヒーロー画像)の処理です。写真の上に濃い茶色のグラデーションを下方向にかけて、白い文字が写真に沈み込むようにしています。文字を読ませつつ、写真の木の質感を殺さないための処理です。

フォント|明朝体で「60年の格」を出す

このデモでは、見出しだけでなく本文・ナビゲーションまで、ほぼ全面に明朝体(Shippori Mincho)を使っています。ゴシック体は機能的で現代的な印象を与える一方、明朝体は誠実さ・伝統・職人気質を感じさせる書体です。「創業60年・三代続く工務店」という設定なら、迷わず明朝体です。

あわせて、字間(文字と文字のあいだ)を通常より広めに取り、行間もゆったりさせています。詰まった文字組みはにぎやかで安売り感が出ますが、余白のある文字組みは静けさと格を作ります。こだわりの強い工務店ほど、この「静けさ」が似合います。特徴紹介の番号を「1・2・3」ではなく漢数字の「一・二・三」にしたのも同じ意図です。

コピーと数字|時間軸で語る

ヒーローのキャッチコピーは「百年使える家を、今日のために。」としました。性能や価格ではなく、「時間」で語るコピーです。工務店の家づくりは建てて終わりではなく、住み継がれていくもの。その価値観を一文に込めて、「家」の一文字だけを木肌色に変えて視線を留めています。

その下には「創業60年」「施工実績420棟」「家業継承3代」「構造保証30年」という4つの数字を並べ、スクロールに合わせてカウントアップするアニメーションを付けました。理念は言葉で、信頼の裏付けは数字で。役割を分けています(もちろん、この数字も架空の設定です。実際の制作では、お店の本当の数字だけを使います)。

施工事例|「豪華さ」より「暮らしの想像」

施工事例のセクションには、3枚の実例写真(works/w01〜03.webp)を使いました。並べ方には明確な意図があります。

新築・リノベ・二世帯とあえて種類の違う3件を選ぶことで、対応の幅を一目で伝えています。また、それぞれに「福岡市/2024年」のように地域と年を添えました。見た人が「自分の住む街の近くで、最近も建てている」と感じられることが、地域工務店の実例では何より大事だからです。写真は大きく4:3で見せ、説明文は一行だけ。語りすぎず、写真に仕事をさせています。

このほか、よくある質問では「坪単価70万円〜」という目安をあえて隠さず書き、棟梁の顔写真を載せたセクション、建設業許可の欄がある会社概要も用意しました。価格の目安を出すこと、作り手の顔を見せること自体が信頼の材料になるからです。

工務店の集客でよくある失敗

工務店のホームページでもったいないと感じるパターンを挙げます。

まとめ|実際のデモを見てみてください

文章だけでは伝わりきらない部分も多いので、ぜひ実物のデモサイトをスクロールして、明朝体の空気感やカウントアップの動きを確かめてみてください。繰り返しになりますが、架空の店舗であり実在しません。

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執筆:ラタトスク(証券会社のシステム部門出身・福岡)
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