「SEO対策込みで作ります」と言われて依頼したのに、公開して1か月経っても検索に出てこない。これは、嘘をつかれたわけでも、手抜きをされたわけでもありません。「SEO対策」という言葉が指している範囲が、依頼する側と制作する側でずれているだけです。
SEOは、公開前にやることと、公開後にしかできないことの2つに分かれます。制作会社が「SEO対策込み」と言うとき、そのほとんどは前者を指しています。そして、順位が上がるかどうかを決めるのは、主に後者です。
この記事では、その違いを整理します。「SEOを入れた=すぐ検索上位」ではないという、あまり売り込みにならない話を正直に書きます。
1. 結論:SEOは「仕込み」と「育成」に分かれる
| 公開前(仕込み) | 公開後(育成) | |
|---|---|---|
| やること | 検索エンジンに正しく読み取ってもらう準備 | 実際の反応を見て、足す・直す |
| 期間 | 制作時に一度やれば終わる | 終わりがない |
| 効果 | やらないと不利。やっても順位は上がらない | 順位が動くのは、こちら |
| 誰がやるか | 制作会社 | 事業者本人、または継続契約した会社 |
ここがいちばん誤解されているところです。公開前の仕込みは、順位を上げるためのものではありません。土俵に上がるためのものです。
たとえるなら、公開前の仕込みは「お店に看板を出して、住所を地図に登録すること」。それをやっても、お客様が来るとは限りません。ただ、やっていなければ、絶対に見つけてもらえません。
2. 「SEO対策込み」が何を指すのか、確認してください
依頼前に、次のように聞いてみてください。
制作会社に確認する質問
- 「SEO対策込み」とは、具体的に何をしていただけますか
- 公開後のSearch Console(検索の状況を見る無料ツール)の登録まで含まれますか
- 公開後、順位や流入を見る作業は含まれますか。含まれる場合、期間はいつまでですか
- 記事の追加は含まれますか、別料金ですか
ここで「上位表示を保証します」と言われたら、警戒してください。検索順位は検索エンジンが決めるもので、誰にも保証できません。保証を掲げている場合、誰も検索しない言葉で1位にするといった、意味のない実績で条件を満たすやり方が使われることがあります。
3. 公開前にやること(何のためにやるのか)
公開前の作業は、「検索エンジンに、このページが何のページか正しく伝える」ためのものです。主なものを挙げます。
ページのタイトル
検索結果に青い文字で大きく出る部分です。ページごとに違うものを付けます。ここが全ページ同じだったり、「トップページ」のままだったりすることが実際にあります。
説明文(ディスクリプション)
検索結果でタイトルの下に出る2〜3行の文章です。ここを読んでクリックするかを決められるので、順位そのものより、クリック率に効きます。
見出しの構造
文章に大見出し・中見出しを付け、階層を整えることです。読む人にとって読みやすい構造は、検索エンジンにとっても理解しやすい構造になります。
内部リンク
サイトの中のページ同士を、関連するもの同士でつなぐことです。どのページからも辿り着けないページは、存在していないのと同じ扱いになります。
サイトマップ・robots.txt
「このサイトには、こういうページがあります」という一覧を用意し、検索エンジンに読みに来てもらう設定です。地味ですが、ないと発見が遅れます。
構造化データ
「これは会社の情報」「これはよくある質問」といった意味づけの目印を、ページの中に埋め込むことです。検索結果での見え方が変わることがあります。
表示速度・スマートフォン対応
表示の速さと、スマートフォンでの見やすさは、評価に影響します。そして何より、遅いサイトは見る前に閉じられます。
画像の説明文(代替テキスト)
画像が何を写しているかを、文字で添えるものです。目の見えない方が読み上げソフトで閲覧するときにも使われます。検索対策である以前に、必要な配慮です。
ラタトスクの制作では、これらはすべて標準で入れています。ただし繰り返しますが、これをやったから順位が上がるわけではありません。やっていないと不利になる、というだけです。
4. 公開後にしかできないこと
① Search Consoleに登録する(最優先)
Googleが提供している無料のツールです。これを登録すると、次のことが分かります。
- 自分のサイトが検索に載っているか
- どんな言葉で検索されて表示されているか
- 何回表示されて、何回クリックされたか
- ページに不具合がないか
これを入れずにSEOの話をするのは、体重計を持たずにダイエットするようなものです。公開したら、まずこれです。
② そもそも検索に載っているか確認する
公開しても、すぐに検索対象になるわけではありません。数日〜数週間かかることがあります。
確認方法は簡単です。検索窓に site:自分のドメイン(例:site:example.com)と入れて検索してください。自分のページが一覧で出てくれば、載っています。1件も出ないなら、まだ載っていません。
③ どんな言葉で来ているかを見る
ここがいちばん面白いところです。事業者が想定している言葉と、実際に検索されている言葉は、たいてい違います。
「福岡 工務店」で来ると思っていたら、実際は「床 きしむ 修理 費用」で来ていた。こういうことが普通に起こります。この実際の言葉が分かってはじめて、次に何を書けばいいかが決まります。
④ 足りないページを足す
検索されている言葉に対して、答えるページがなければ作ります。これが、順位を動かす作業の本体です。そして、終わりがありません。
5. 効果が出るまでの、正直な話
気持ちのいい話ではありませんが、書いておきます。
| 時期 | だいたいの状態 |
|---|---|
| 公開〜2週間 | 検索に載りはじめる。まだ順位はほぼ動かない |
| 1〜3か月 | 会社名・屋号での検索では出るようになる。一般的な言葉ではまだ厳しい |
| 3〜6か月 | 絞り込んだ言葉(地域+業種+悩みなど)で、少しずつ出はじめる |
| 6か月〜1年 | 記事を足し続けていれば、成果が見えてくる。何もしていなければ、変わりません |
特に新しく取得したドメインは、時間がかかります。すでに何年も使っているドメインをそのまま使えるなら、そのほうが有利です。リニューアルでURLを変えないほうがいいのは、これが理由です。
「上位表示」を狙う言葉の選び方
大きな言葉ほど、勝てません。「ホームページ制作」のような言葉は、全国の大手が何年もかけて争っています。個人や中小企業が正面から勝つのは現実的ではありません。
狙うべきは、「地域+業種」「悩み+解決方法」といった、絞り込まれた言葉です。検索する人の数は少なくなりますが、その分、問い合わせに近い人が来ます。1日に3人来て、そのうち1人が問い合わせるほうが、100人来て誰も問い合わせないより価値があります。
6. 公開後、まずやる3つ(この順番で)
- Search Consoleに登録する ── これがないと何も測れません
- Googleビジネスプロフィールに登録する ── 実店舗や地域密着の事業なら、SEOより先に効果が出ます。地図に出るようになり、無料です
- 1〜2か月後に、検索されている言葉を見る ── そこから、次に書くページを決めます
2番目を先に挙げているのは、地域の事業者にとっては、検索順位より地図のほうが速く効くからです。「◯◯市 歯医者」で調べる人の多くは、地図の枠を見ています。
7. やってはいけないこと
- 「1位を保証します」という業者に頼む ── 保証できる仕組みではありません
- リンクを買う ── 他サイトからのリンクを購入する手法です。見つかると評価を落とされます
- 背景と同じ色で文字を隠す ── 古い手法ですが、今も見かけます。規約違反です
- 中身の薄い記事を大量に作る ── 数を増やせば上がる時代は終わりました。むしろ全体の評価を下げます
- 同じ内容のページを複数作る ── 評価が分散して、どちらも上がらなくなります
共通しているのは、「検索エンジンを騙そうとする手法」です。短期的に効いたとしても、修正されたときに大きく落ちます。時間をかけて積み上げたほうが、結局は速いです。
8. よくある質問
Q. 公開したのに、検索しても自分のサイトが出てきません
まず site:自分のドメイン で検索して、載っているかを確認してください。載っていれば、順位が低いだけです。載っていない場合は、公開直後で読み取られていないか、検索避けの設定が残っている可能性があります。後者は制作会社に確認してください。
Q. 会社名で検索しても出てきません
公開直後であれば、数日〜数週間待ってください。それでも出ない場合は、同じ名前の会社が多い可能性があります。Googleビジネスプロフィールへの登録が有効です。
Q. ブログを書けば順位は上がりますか?
「書けば上がる」わけではありません。実際に検索されている言葉に対して、きちんと答えている記事なら効果があります。日記のような更新では、ほとんど効きません。何を書くかを決めるために、Search Consoleで実際の検索語を見るのが先です。
Q. SEOの継続的な作業も頼めますか?
ラタトスクでは、月額¥5,000(税込)の保守に月2回までの修正・更新が含まれます。この範囲で、文章の調整やページの追加は可能です。ただし「順位を上げることを保証する契約」はお受けしていません。できないことを、できると言わないためです。
Q. 公開前の仕込みは、あとから追加できますか?
できます。タイトル、説明文、見出し構造、サイトマップなどは、公開後でも整えられます。今のサイトがどうなっているかを確認するところから始められます。
まとめ
- SEOは「公開前の仕込み」と「公開後の育成」に分かれる
- 公開前の仕込みはやっても順位は上がらない。やらないと不利になるだけ
- 「SEO対策込み」がどこまでを指すのか、契約前に確認する
- 上位表示を保証する業者は避ける
- 公開後は①Search Console登録 ②Googleビジネスプロフィール登録 ③検索語を見るの順
- 効果が見えるのは早くて3か月、実感は6か月〜1年。何もしなければ変わらない
- 狙うのは大きな言葉ではなく、絞り込まれた言葉
ラタトスクは、公開前の仕込みを標準で行い、公開後にやるべきことをお伝えします。「作れば検索から人が来ます」とは申し上げません。そこから先は、続けた人だけが結果を得られる世界です。